大変な出産という大仕事を乗り越えてわが子に会えた喜びをかみしめたのもつかの間。二時間おきの頻回授乳と赤ちゃんのお世話で、休む間もない日々がママを襲います。
そんな育児を乗り越えて生後3か月ごろから6か月ごろになると「最近よく寝てくれるな~」と、可愛い赤ちゃんの寝顔をほほえましく見つめる余裕ができますよね。
産後すぐから続いた睡眠不足も解消され、ママとしての自信を持てる人も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな平和な時間を突如遮るようにやってくる「夜泣き」!!!再び始まる寝不足の日々にお手上げ状態の方はいませんか?
今回は、生後6か月以降に始まる夜泣きについて、その原因と対処法をお伝えします。
夜泣きって?新生児の頃との違い
新生児から続く昼夜を問わない泣きがある場合、いったいいつから夜泣きに切り替わったの?と疑問に思いますよね。いったん夜ぐっすり寝る時期を挟んだ場合でも、以前との泣きと区別がつかない場合があると思います。
しかし、原因によってその対処法は全く異なるもの。ここではおおよそ6か月ごろから始まる夜泣きが、どのように発生するかについてご説明します。
夜泣きの定義とは?いつから始まりいつまで続く?
赤ちゃんによって個人差がありますが、夜泣きとは一般的に生後6か月ごろから1歳までに発生するものです。赤ちゃんの中には一切夜泣きをせずに成長する子もいれば、3歳まで律儀に夜泣きを続ける子もおり千差万別と言えるでしょう。
それまでの夜間の泣きは空腹やおむつの汚れによる原因の明確なものですが、夜泣きは抱っこをしても授乳をしても連続して長時間眠ることのできない状態のことを指します。
これくらいまで成長すると、頻回授乳が必要な赤ちゃんはほとんどいません。
この時期に授乳をすることで泣き止むと感じるのは、赤ちゃんにとって口の中に乳首が入っている状態こそが安心して眠れる状態と記憶されているからです。
抱っこでしか寝られない場合も同様で、その状態でないことに赤ちゃんが気づいてしまうことで不安になり泣いてしまうのです。
夜泣きの原因は「脳の発達」「不安感」「生活リズム」
では、赤ちゃんはどうして夜泣きをするようになるのでしょうか?
残念ながら、夜泣きにはまだまだ解明されていない謎が多く科学的な分析が進んでいないのが現状です。
しかし、現時点ではおそらくこのような原因から夜泣きが発生するのだろうと言われています。
脳の発達によるもの
赤ちゃんの脳が急速に発達する時期と夜泣きの時期が重なることから、日中の刺激が夢として整理されることによる泣きではないかとされています。
また、未発達な睡眠サイクルにより浅い眠りのときに覚醒してしまい、長時間眠り続けることができないのです。
眠ることに対する不安感
赤ちゃんは基本的に眠るのが下手です。排泄や空腹などの欲求はママが満たしてあげられますが、眠りについてはそうはいかないところ。
眠いのにうまく眠れず機嫌が悪いという可能性もあります。
生活リズムが乱れていることでのぐずり
生後間もない赤ちゃんには体内時計がありませんが、生後5か月ごろまでに大人の生活に合わせ徐々にリズムを獲得していきます。
しかし、その獲得がスムーズにいかないと本人の体内時計とお日さまのリズムが合わず、結果睡眠が乱れてしまい夜泣きをしやすい環境となってしまいます。
夜泣き対処法3選!夜泣きしないようにするための王道の対策と方法
では、ママや周囲の大人はどのようなことに注意して夜泣きに対応すればよいのでしょうか?
夜泣きに悩んだらまず試してほしい、王道の対策3選をご紹介します。
生活リズムを整える
上で挙げたように、夜泣きの原因として考えられるのは赤ちゃんの体内時計が未成熟だということにあります。それを整えてやることにより、睡眠時間の調整を図る目的があります。
起床、就寝時間の見直し
朝方近くまで泣いていた場合、親も疲れてしまっているのでどうしても起床時間が遅くなりがちです。
そうなると1日のスタートが後ろへずれこんでしまい、結果的に就寝時間が遅くなってしまいます。
このように一定のリズムで生活させないことで、体内時計の完成に待ったをかけてしまっていますね。
まずは規則正しい生活から!早寝早起きを決まった時間に行うことが何よりの基本です。
お昼寝の調節(15時までには起こす、昼寝が長すぎないか考える)
月齢、発達の度合いによって必要なお昼寝の長さは変化します。少し前まではこれくらい寝ていた、という調子でいると、気が付けば夜寝つきが悪いような?という不具合が起きてきます。
決まった時間で生活しているのになぜ寝なくなったの?という場合には、お昼寝の時間と体力がバランスの取れた状態か確認してみてください。
また、この時期には夕寝せずとも問題ないほどの体力がついています。お昼寝は遅くとも15時までに切り上げるようにしましょう。
環境を整える
次に見直してほしいのが睡眠をめぐる環境についてです。
どれだけ生活に気を付けていてもうまくいかないと感じている人は、環境にヒントが隠されているかもしれません。
夕方以降はブルーライトを控える
パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明などに多く含まれているブルーライト。
ブルーライトとは可視光線のなかで最も強いエネルギーを持っている光です。本来ブルーライトとは青空に大量に含まれており、朝から日中にかけて積極的に浴びることで目を覚まし身体を活動モードにしてくれるという働きがあります。
この光を就寝時間間近に浴びることで自然と訪れるはずの眠気をシャットアウトしてしまうのです。
寝室の電気は消して真っ暗に
大人子供に関わらず、人間は瞼の光に対する感度が敏感です。そのためせっかく寝ついても、浅い眠りのタイミングで光に反応し起きてしまうこともあります。
電気を消したら寝るんだ、という子供へのメッセージにもなり、質の良い睡眠をとる助けにもなるので寝室の明かりは消す習慣をつけましょう。
入眠儀式
就寝前のルーティーンを作る
絵本を読む、マッサージをする(ふれあいを増やすことで子供の安心感を高めてやる目的)などなど、ママと赤ちゃんにとって心地よくかつ継続しやすい入眠儀式を考えましょう。
なるべく興奮させずにリラックスできる儀式を毎日決まった時間に行うことで、リズムが整い赤ちゃんの気持ちも安定しやすくなります。
子どもの安眠グッズをみつける
何かに触れていないと眠れないという寂しがりやな子の場合は、タオルや毛布、ぬいぐるみなど子どものお気に入りのものを入眠グッズとして与えましょう。
そのグッズがあることで安心感を覚え、夜中に目が覚めた時でも上手に睡眠に戻りやすい環境が演出できます。
それでも寝てくれない!!ひどい夜泣きのときに試してほしい対処法
ママの集まるSNSや大手掲示板を利用
夜中にたった一人で泣き続ける赤ちゃんのお世話をするのは精神的にも肉体的にも大変ですよね。
この方法は、パパや家族を頼ることができない時、または現実に付き合いのあるママ友に連絡するのは気が引ける時におすすめです。
夜泣きで打つ手なしの時に覗いてみると、同じ境遇のママたちが投稿していることがあります。
「夜泣きに泣かされているのは私だけじゃない!」ということが分かると、すこし心強くなりますよね。匿名で利用できるものもあるので、自分にあったママの交流場所を探してみてはいかがでしょうか。
お医者さん、保健師さんに相談
あまりにも激しい泣きが続く場合は、ただの夜泣きではないという可能性もあります。病気による不調が原因であれば、いくら夜泣き対策しても解決できません。
実際に筆者の友達の子は中耳炎を起こしており、それが原因で夜泣きしていたということもありました。病院や子育て支援センターへ行き、医師や保健師さんに相談してみましょう。
「いつかは寝る」と開き直る
あまりにも激しい夜泣きが続くと、どれだけ可愛いわが子が相手でもつらくなってしまうものですよね。
ですが、とっても不思議なことにママのイライラは確実に赤ちゃんに伝わります。それが原因で泣かせてしまっては悪循環ですよね。
一生寝ない子はいません。小学生になってまで毎晩夜泣きする子はいないのです。「ここまで来たら好きなだけ泣きなさい」とおおらかに構えてみると、不思議と泣き止むこともあります。
まとめ
赤ちゃんは泣くのが仕事といいますが、あまり仕事熱心な赤ちゃんのお世話をするのは大変な気力・体力が必要です。
それを養うためにママにとっても睡眠は必要不可欠!良質な睡眠をとれる習慣づくりは、子どもへの一生のプレゼントとなるでしょう。
はっきりとした原因が分からないと言われているこの時期の夜泣きですが、できることから少しずつ生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。